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羊​と​月

by 柊とEsperanto Café

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1.
おたより 04:39
ぽつんと残った禁足地から うそのラジオを流しています 隣で野良犬が餌をたべているので 今日はその音を流します ぽつんと残った禁足地のなか うそのお酒を飲んでいます 頭上できじ鳩がずっと鳴いているので 今日はその声を流します 地べたにシートをひろげて 誰にも邪魔されず横になっています 雨が降っても気にしないで なめくじと遊んだりしています ぽつんと残った禁足地の奥 うその涙をながしています 日暮れのわびしさが骨にしみてくるので 今日はそのままで眠ります
2.
月夜にマリンバ響かせ 星座たちを仰ごう 乾いた骨の歌声 絶やすことのないように 星色の火を灯して浜辺を彩ろう とっときのカップで乾杯さ パラソル付きのマンゴー・ジュース 一年に一度だけの特別な夜さ ゆくあてのない子供たちも救われるさ いがみ合う兵隊たちも この夜ばかりは共に手を取り合うのさ ずっと昔からの大事な約束だから 一年に一度だけの大切な夜さ 心のない大人たちも救われるさ 月夜にマリンバ鳴らそう 今なら間に合うよ このまま石になるには ちょっとまだ早すぎる 大昔に忘れられた唄にもう一度 焱色した命を今夜吹き込むのさ 月夜にマリンバ響かせ 今夜吹き込むのさ
3.
午前3時のいらいら 部屋にひとり かたい壁に背中をつけて 握りしめたこぶしには じっとりと汗が滲んでいます 午前3時の泣きべそ 部屋にひとり やぶれた壁のすき間をなぞる 開け放った窓からは つめたい風が流れ込んできます 外の月が緑色で あたりはなんだか砂漠のようで 僕はとても喉が渇いて仕方がなくて 手を伸ばして つかんだガラスのコップが すべり落ちてこわれた 午前3時の怖がり 部屋にひとり もろい壁に右耳あてて 聴こえてくる響きには 大きな勘違いがあるようです 悪い夢を見ているみたい 空気はなんだか粘土のようで 僕はとても指がふるえて仕方がなくて 手を伸ばして つかんだガラスのコップが すべり落ちてこわれた 水がほしい こわれたガラスのコップの かけら つまむ ひとりの夜 るるるるる…
4.
02:36
こんな時間に口笛吹いたら しかめっ面したへびがくるよ 窓のロックもおかまいなしに ベッドの下から君のとこへくるよ でも怖がらないで 大声出さないで 怯えなくていい ちょっと噛むだけだから 痛くないよ ねえほら痛くないでしょう 痛くないから 痛くないって言おうね ねえ怖がらないで 大声出さないで 怯えなくていい そんな暇もないから こんな時間に口笛吹くから おいら言ったよ もう知らないよ
5.
かげろう 04:40
信号を待ちながら 頭の中でしりとりをする 噛んでいたペパーミント・ガムには もう味がない 喫茶店のドアには よくわからない虫が一匹 道路の端で斜めのまま ポール・コーンが寂しげだよ どうしてあんなことを口走って 君は行ってしまったの 君が拾った化石の話を もっと聞かせてほしかったのに 雷を呼びながら 真夏の雲は偉そうにする 飛び越えた水たまりには 吸殻がひとつ 石垣の隅には けたたましい蝉が一匹 四度に冷えたコカ・コーラが オート・ベンダーから飛び出したよ どうしてあんなふうに取り乱して 君は行ってしまったの 僕の狂った時計の針を ちゃんと戻してほしかったのに どうしてあんなふうに五月蝿がって 君は行ってしまったの 君が忘れた映画の名前を 僕は思い出していたのに どうしてあんなことを口走って 君は行ってしまったの 君が拾った化石の話を もっと聞かせてほしかったのに
6.
恋人たち 03:53
本日は晴天なり 遠くでチューバの音 嘘みたいな午前のもとで 僕らは林檎の木の下 本日は曇天なり 遠くで工事の音 もう見飽きた景色の中で 僕らは林檎の木の下 背中をくっつけあって待っている 身が落ちてくるのを待っている それが自然でいいから それなら信じられるから 布をかぶってキス もう簡単に恋はできない いつか簡単にさよならできるように 全部隠して嘘をつきあっていよう 天気は全く不明 四角い倉庫の中 真っ黒な暗幕の裏で 僕らはずっと寝ていた しゃがんで寄り添いあって待ってい る 目が冴えてくるのを待っている それが自然でいいから それだとあとはつらいけど 布をはずしてキス もうここなら顔は見えない きっと簡単にさよならできるだろう 何も見えないのならおんなじこと 布をかぶってキス もう簡単に恋はできない いつか簡単にさよならできるように 全部隠して嘘をつきあっていよう
7.
玉のり姫 02:48
まんまるな玉のうえにのった あの娘がやってくる 空っぽなその瞳はまるで碁石みたい まんまるな玉のうえで あの娘はなんにも言わない 自由のきかないその足を ぴんと伸ばしながら ぼくはまんまるな目をして 行進をながめてる ぼくはまんまるな目玉を ぐりぐりとまわしてる ぽっかりとあいた穴に あの娘は落ちてしまった 碁石みたいなその目を見開いたまま ぼくはまんまるな目をして いつまでもながめてる 落ちてくあの娘の背中に さよならと呟いて まんまるな玉のうえにのった あの娘がやってくる 空っぽなその瞳はまるで碁石みたい まんまるな玉のうえで あの娘はなんにも言わない まんまるな目のあの娘をこわしたのは誰
8.
Hey, Mr.Samuel Goldenberg! 今日もずば抜けてイカしてる お気に入りの金の時計に 裾の短いグレーのズボン 靴下のお洒落も怠らない (まったくいいセンスしてるよ) Hey, Mr.Samuel Goldenberg! 今日はシュミュイレはどこだい 裾からのぞく色白の足に ゴテゴテの金具まみれの靴 いったいどこで見つけてくるのさ (まったくいいセンスしてるよ) ゴールデンベルグ氏は窓を見る 移りゆく景色になにを感じるんだい 素敵な景色もいいけれど 僕が見てるのはあんたの見事なはげ頭さ ゴールデンベルグ氏は時計を見る 残りの人生をどれだけ楽しめるかと 生まれてこのかた苦しみ知らず これからもいいご身分で楽しくやりなよ Hey, Mr.Samuel Goldenberg! 今日もずば抜けてイカしてる ああゴールデンベルグ あんたはもう すべてを手に入れたつもりなんだね
9.
ドアのない部屋に滑るように忍び込む 窓際の錆び付いた錠前の記憶を 君は想像している 海辺の部屋で 化石した蓄音器にレコードを乗せながら 濡れた葉の匂いを君は吸い込んでいる ロ調のマズルカが 空気いっぱいに水彩画を描くと ジオラマみたいに固まった部屋は 鮮やかに息を吹き返した ロ調のマズルカが 空気いっぱいに水彩画を描くと ジオラマみたいに固まった部屋は 鮮やかに息を吹き返した 忘れられた部屋に 涼しすぎる潮風と化石した蓄音器 その短い髪は君によく似合っている
10.
二人の街 03:28
遠い街まで二人で歩きませんか 薄曇りの空 少し雨が降りそうです なつかしい街を二人で歩きませんか 話が尽きても僕はじゅうぶん幸せです 君とよく歩いた公園沿いの 店がひとつなくなりました 君と待ち合わせした駅の 改札前の柱もありません もう今は 今でも僕は時々思い出します 何があっても君はずっと大切な人です 君とよく並んで腰掛けた ベンチから見える景色も すっかり変わってしまったのでしょう 僕はなんだか行く気になれません もう今は 今でも僕は時々思い出します 何があっても君はずっと大切な人です 二人の街に淡く影が差し込みます 何があってもここはずっと大切な街です
11.
黒猫 06:06
いろんな人のいろんな顔 ぼくはいつも外から見てた いろんな人のいろんな声 今ぼくは中から聞いてる 公園の端 ちいさな電話ボックス 割れた扉 ぼくはそこから入る 体操するおじいさん 犬を連れたおばさん ジョギングのお姉さん 不審者のおじさん 鳩と遊ぶ赤ちゃん 素振りする男の子 人形を汚して泣きわめく女の子 ぼくは公園の藪で暮らしてる 片耳のまがった黒猫 鼻の横に白いぶち もう誰も信じない いろんな人のいろんな目 ぼくはいつも外から見てた いろんな人のいろんな声 今ぼくは中から聞いてる 公園の端 トイレの横の電話ボックス 割れた扉 ぼくはそこから入る 泥んこの男の子 縄跳びする女の子 眉間に皺寄せて笑わないお母さん 忘れ物した男の子 大声で歌うお兄さん 声を殺しながら泣いてるお父さん ぼくは公園の藪で暮らしてる 片耳のまがった黒猫 鼻の横に白いぶち もうそんなに長くない ぼくは公園の藪で暮らしてる 片耳のまがった黒猫 鼻の横に白いぶち もう誰も信じない
12.
羊と月 03:02

credits

released July 9, 2023

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about

柊 / Shu Japan

2003年生まれ。高校3年の頃より作詞作曲を始め、完全マルチプレイでのデモ音源を作る。ルーツであるオールド・ロック/ポップから、アメリカン・ルーツ・ミュージック、日本のポップスまで、「継承」を掲げて日々創作を行 う。

Born in 2003. I started writing lyrics and making demo recordings in his senior year of high school. I've been creating music with "inheritance" from my roots in old rock/pop, American roots music, and Japanese pop music.
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